お笑いコンビ・ダイノジの大地洋輔が9月7日にフィンランドで開催された『第12回エアギター世界選手権』で、歴代2人目となる2連覇を達成したことが、エアギター公式団体「エアギタージャパン」の公式ホームページで8日(土)明らかになった。
……だ、そうで。
以前、野村よっちゃんに取材したときに、雑談の中で、「俺、エアギターって大嫌い。絶対あんなの認めない」って強く言っていたのを思い出した。
ぼくもエアギターは嫌いだ、どちらかというと。
というよりも興味がない。
だって、エアギターはギターじゃないし、音楽でもない。
芸術的にもエンタテインメント的にもまったく優れていない。
だから、全然興味を惹かれる部分がない。
あえて言うなら、あれはギターが弾けない人の代用品なのだろう。
Fコードを弾くことができたときの感動を知らない人たちの。
チョーキングで1音上げられたときの喜びを体験したことのない人たちの。
バンドで演奏するときのいい汗と悪い汗をかいたことがない人たちの。
ギターを持ってステージに上がるときのトキメキと消えてしまいたくなるような不安を知らない人たちの。
代用品で満足する人はそれでいい。
発泡酒の味がビールと変わらないと思う人はそれでいいし、ダッチワイフが……あ、この例えはやめておこう(笑)。
ぼくは、代用品で済ますぐらいなら、それ自体が要らないと思うタイプだ。
だから、エアギターは、好みじゃない。
以前テレビでエアギターの大会の模様をチラッと観て、不快に思ったこともその一因かもしれない。
だって、明らかにおかしい。
演技を観ていると、ギターを持っているはずなのに、手がギターを忘れている瞬間が何度もある。
例えばジャンプして着地したとき、本当ならギタリストは絶対左手でネックをしっかりと支えているはずだ。
じゃないと、ギターが不安定で仕方がないし、それはギタリストにとってはものすごく不安なことなのだ。
だから、ステージでどんな派手なアクションを決めていたとしても、ギタリストの左手は本能的にネックを支えているはずだし、そうじゃないとまったくリアルではない。
そういう意味では、エアギターはギターの代用品ですらないとぼくは思う。
ギターを弾きたくてしょうがないけれど買ってもらえない少年が、ほうきをギター代わりにして偉大なギタリストの真似をしている姿の尊さは、そこにはいっさい感じられない。