Real Vintage Sound! AKGとTARGIEのコラボ・プロジェクト「TARGIE Super Booster」
ColorsoundのPower Boostというエフェクターをご存じだろうか?
Tonebenderで名を馳せたSola Sound社が1970年に発表したブースターで、David GilmourやJeff Beckの足下に置かれたこともあったペダルだ。ちなみに同じColorsoundのOverdriverと中身は同一である。
オリジナルのペダルはトレブル、ベース、ボリュームの3ノブ。
ブースターといっても昨今流行のクリーン・ブーストの類とは全く異なるサウンドである。
繋いだだけでボリューム0でも音感的には10dbくらいアップした感じ。トーンの効きも良く、トレブルを持ち上げていくとハリのあるしまったサウンドになる。ボリュームを上げていくと、凄まじい音量となり、あるポイントから歪みが乗りだし、最後にはほとんどFuzzに近いところまで歪んでいく。
かつての歪まないアンプに繋いで使うのにはぴったりだったのだろうが、とにかくあまりに凶暴にブーストするため、使いづらいということでいつの間にか忘れられたエフェクター、それがこのColorsound Power Boostなのだ。80年代に入る頃からマスター・ボリュームが装着された形でリイシューされたのだが、人気は今ひとつ。日本に輸入されなくなってすでに久しい。
しかし、このペダルでしか得られないサウンドというものが確かにあって、それはオヤジ・ギタリストがかつて「こういう音で弾きたい」と思っていたサウンドそのものなのだ。今どきのペダルでこんな音が出るものはない。であれば、作ってしまえ!
というわけで、TARGIEはお馴染みアンプ・ビルダーのAKG工房にオリジナルのペダルの解析を依頼し出来上がったのが、今回ご紹介する「TARGIE Super Booster」だ。
そのプロトタイプのファースト・レビューを急遽行ったので、ぜひご覧いただきたい。
実はTARGIEでは現在このペダルを量産、発売すべく準備中だ。とにかく予想以上に素晴らしいサウンドが実現したため、ぜひ多くの人に使っていただきたいと考えている。
この1台にしか出せない本当にヴィンテージなロック・サウンドを手に入れたいギタリストの皆さん、続報をお待ちいただきたい。
TARGIE SUPER BOOSTERが発売になりました!
ギターの魅力を殺さない、極上の歪み。まさに「あの時代の」サウンド。
それでいてノイズレス、コンパクト、トゥルー・バイパス、DC供給可。
どこにもないオーバードライブです。ぜひお試し下さい!
<こちらから購入できます!>
TEXAS BLOOD WAH レビュー!
以前TARGIE LABOでご紹介したアンプ「KENTOS」のビルダーKazhee氏は、実はワウ・ペダル研究の第一人者でもあり、数々のワウのモディファイを手がけたり、雑誌に研究成果を寄稿したりもしているビンテージ・ワウ通なのですが、そのKazhee氏が満を持してオリジナル・ワウを発表しました。
名づけて「TEXAS BLOOD WAH」!
ビンテージ・ワウの美味しいところを詰め込んで、さらに使いやすくしたということで、
さっそくDr.Stringslove氏が入念にサウンド・チェックしました!
後半ではRMC Picture WAH, Budda WAHとの比較もやってますので、ぜひご覧下さい。
このワウについての詳細は
Kazhee氏のサイト「Texas Blood」に詳しく掲載されていますので、ぜひご覧下さい。
価格は29,800円
KENTOS AMPのサイトから購入できますが、残念ながら初期ロット10台は完売。
お問い合わせいただければ1〜2ヶ月の納期でお届けできる、とのことです。
ヨーロピアン・ハイエンド・エフェクト「G-LAB True Bypass Wah-Pad & Wowee-Wah」
ヨーロッパ製ハイエンド・エフェクター、今回もポーランドのG-LABから、ちょっと変わったユーティリティ的ペダルと、ワウ・ペダルの2機種をご紹介する。
1.True Bypass Wah-Pad
1つめは「True Bypass Wah-Pad」というペダル。これはG-Labの最初の製品である。
手持ちのワウをこの上に乗せると、足を乗せただけでワウを使うことができ、足を乗せなければトゥルー・バイパスとなる。シンプルなアイディアだがなかなか画期的なペダル。
ワウの音やせが気になる向きにはもちろん、足を乗せた瞬間ワウがかかるので、踏み込んでいない状態から演奏するなどの普通のワウでは難しい技も可能である。
標準小売価格は19,600円。
2.Wowee-Wah
そして、TBWPのノウハウを活かしたワウがこちら、「Wowwee-Wah」。
足を乗せた途端にワウのサウンドが使える、感圧センサー式。トゥルー・バイパスである点も同じだ。
サウンドはローノイズ。いくつかのセッティング・スイッチによってクリーン・トーンからディストーションまで、最適なかかり具合を設定できる。見た目はモダンだが、結構ビンテージな持ち味も感じられるサウンドだ。
ご紹介したベーシックなモデルの他、MIDIコントロールがついたもの、ベース向きのモデルなど全3機種のラインナップとなっている。実勢販売価格は28,000円前後。
お問い合わせはいずれのペダルも
ノイヴェラックスまで。
ヨーロピアン・ハイエンド・エフェクト「G-LAB Smooth Delay SD-1」
ヨーロッパのエフェクターを紹介するこのシリーズ、第2回目はポーランドのメーカー、G-LABのディレイ・ペダル「Smooth Delay SD-1」をチェックしてみる。
SD-1は楽器のアナログ信号にデジタルのエフェクト音を加えるという「Max Analog」テクノロジーを採用。最近のディレイではStrymonのペダルなどにも似た技術が使われている。
豊富なサウンド・コントロールを装備、ヴィンテージ・ライクなアナログ・ディレイ・サウンドから、ハイファイなディレイ・サウンドまで幅広い音づくりが可能になり、デジタル特有の臭さや音やせも感じられない。
ディレイタイムは50ms-1280ms。トゥルー・バイパス設計。
ユーザビリティの高さは他のG-LABペダル同様で、フィードバックとディレイ・タイムのコントロールつまみは足のつま先で操作しやすいようラバーが貼ってある上、バックライトが点灯するため視認性も優れている。
他のG-LABペダルと接続し、セッティングをコントロールできる点もプロ仕様である。
G-LAB Smooth Delay SD-1
¥34,200(販売実勢価格)
お問い合わせは
ノイヴェラックス
ヨーロピアン・ハイエンド・エフェクト「G-LAB DUAL REVERB DR-3」
最近アメリカのミュージシャンの足下にヨーロッパ製のエフェクターが並んでいるのを良く目にする。数え切れないほどの自国エフェクト・メーカーを差し置いて、何が彼らを惹きつけるのか、気になるところだ。そこで今回からしばらく、日本にも入り始めたヨーロッパのブランド2社のエフェクターを試してみようと思う。
まず最初にお届けするのはポーランドのメーカー「G-LAB」。
旧社会主義国時代からの歴史を有する精密機器メーカーの楽器部門として立ち上げられたブランドだという。それゆえ技術力は高く、感圧センサーによる操作制御やデジタル利用の信号処理、筐体の組み立て精度、強度などは既存のエフェクト・メーカーとは一線を画するものがある。
今回は数あるコンパクト・エフェクターの中からリバーブ・ユニット「Dual Reverb DR-3」を試してみた。
その名の通り、2チャンネル完全切り替え可能の便利なデジタル・リバーブで、アナログ信号を残しながら、エフェクト成分にだけデジタル処理を施した「MAX ANALOGテクノロジー」を採用している。トゥルー・バイパスである。
ちなみにこちらのリバーブ、先日取材したレネゲイド・クリエイションのロベン・フォードの足下にも置かれていた。
それではそのサウンドを聴いていただこう。

独特のメタル・スイッチが秀逸。
比較的軽めな踏み心地ながら、切り替え感がはっきりわかる優れもの。

Foot Pedalでチャンネル切り替えが可能なほか、
DelayペダルSD-1と接続して、連動切り替えも可能。
電源はDC-9Vセンターマイナスのアダプター対応。バッテリーは使用できない。
G-LAB Dual Reverb DR-3
¥28,900
お問い合わせは
ノイヴェラックス
早すぎた名機・Carl Martin DeLayla & DeLayla XL ミニレビュー
空間系のエフェクターの選択は難しい。
色々種類はあるけれど、楽器店の在庫は限られているので試奏にも限界がある。つまみが多すぎて操作が難しそうだ。歪み系のエフェクターと比べ、レビュー記事も少ない。その上価格が高いので購入に度胸が必要だ。
優れものでありながら、あまり楽器店で見かけないレアなディレイのレビューをお届けしたいと考えたのはそんな理由からだ。ディレイ選びの参考にしていただければ幸いである。
今回レビューを試みるカール・マーチンの「ディレイラ」とその上位機種「ディレイラXL」は高機能ディレイとしてはもはやクラシックの部類に入る。
なんといっても一番の特徴は、テープ・エコーの「セカンド・ディレイ」を再現した「スラップバック」がついていること。
メインのディレイ・サウンドの内側に更に細かいディレイが入ることで、音の奥行きが格段に増すのだが、ストンプ・ボックスでこの機能を再現したものは少なく、仕方なくディレイを2台接続した経験のある人もいることだろう。これが1台で済み、オン・オフも可能、しかもスラップバックのタイミングも調整可能(XL)なのだから、素晴らしい。
また、タップ・テンポが可能(XL)、というのも魅力的だ。
基本的なディレイ・サウンドは十分に太く、ウォームだ。極端に音が劣化するということでなく、適度にハイが丸くなったサウンドだと思う。ヴィンテージ・テープ・エコーの再現といううたい文句にも納得できるサウンド・クオリティだと思う。

・DeLayla
・DeLayla XL
レビューではそれぞれのサウンドの試奏のほか、デジタルディレイや他のアナログディレイとの比較も行ったので、ぜひご覧いただきたい。
その他の特徴は以下の通り。
・MONO IN / MONO OUTである。凝った音像造りを試みたい向きにはやや不満が残る。
・AC100V駆動である。トランス内蔵のため重量も800gを超える。しかしそれによるサウンドの太さが本機の魅力の一端であることは否めない。
・ディレイタイムは20〜1000ms。
デジタル/アナログハイブリッドのディレイや、デジタルでもアナログライクなサウンドを作れるディレイ、プリセットメモリやルーパー機能を装備したディレイなど、多機能なディレイが百花繚乱の昨今、やや見劣りする部分があるかも知れないが、本当に自分の欲しいサウンドが明確にわかっている人には機能が絶妙に取捨選択された1台として候補に挙げられるのではないだろうか。機能、サウンド、操作性のバランスに優れた1台であり、隠れた名機、もしくは「早すぎた名機」という思いを強くした。
実勢価格はDeLaylaが35000円前後、DeLayla XLが41000円前後といったところ。
昨今の円高を考えるといささか高価だが、これは致し方ない。
また、すでに発売から時間が経っているため、在庫を見つけるのがなかなか難しい。発見したら幸運だと思ってぜひ試奏してみて欲しい。
<DeLayla XLホームページ>
Mini Morley Wah & Mini Morley Volumeレビュー!
Morleyのワウ・ペダルといえばギア駆動のポットではなく、光学式のサーキットを採用し、ガリや機械的トラブルと無縁のペダルを作っていることでおなじみです。
また、スティーブ・ヴァイをはじめとするアーティストのシグネチャ・モデルも有名。
今回そのMorleyからMiniペダルのシリーズが発売されます。
とにかく一番の特徴はそのサイズ。
これらのペダルは大きく、重くてペダルボードの中でかさばってしまうものですが、このサイズならだいぶ助かります。
実際のサイズとサウンドはレビュー映像を見ていただくとして、ざっと仕様を。
Mini Morley
Wah・おなじみ光学式サーキット
・ビンテージ・サウンド
・電池交換が容易なイージー・アクセス・ドア
Mini Morley Volume・光学式サーキット
・電池交換が容易なイージー・アクセス・ドア
7月上旬発売予定で、価格は予価ということで、ワウが16,000円前後、ボリューム・ペダルが15000円前後を予定しています。
両方とも今月26/27日開催予定のTokyo Guitar Showに出品されますので、是非手にとって試してみてください。
それでは、サイズ、サウンド、使い勝手を検証してみましょう!
TARGIEシグネチャ OVERDRIVE SCREAM