墓場への道しるべ
オービル・ギブソンの墓はニューヨーク州マローンという町にあるが、ニューヨーク観光のついでに寄る場所ではない。観光客の訪れるニューヨーク市は州の南端だが、マローンは州の北端に位置し、実に370マイル(600キロ)も離れている。但し、カナダのモントリオール旅行のついでに寄るのは有り。マローンまでは車で2時間程度だ。
オービルが眠るモーニングサイド墓地には、1877〜1881年の米副大統領ウイリアム・ホイーラー(William A. Wheeler)も埋葬されているので、地元の人に尋ねれば簡単にたどり着ける。墓地の入り口は2つあり、どちらもレイモンドストリート(Raymond St.)に面している。左側から入り、墓地内の歩道分岐でも左に進むこと。300mほど歩くと「Gibson Gravesite」と書かれた緑の看板が見つかる。なお、この区画はオービルの兄一家のものだ。
せっかくここまで来たのなら、オービルの生誕地にも行ってみよう。マローンから車で30分ほどのシャタゲイ(Chateaugay)村アールビル(Earlville)地区にある。
モーニングサイド墓地の横を通る州道11号線で東(ただし標識は「North」
となっている)に13マイル(20キロ)ほど行くとシャタゲイ。11号線沿いにある、ガソリンスタンド・銃器・楽器店を兼ねた「Dick’s Country Store&The Music Oasis」が最初の目印だ。同店のある交差点で左折し、Lost Nation Rd.を北に向かって3マイル(5キロ)。
つきあたりのMcnierney Rd.で左折し1マイル(1.6キロ)ほど進むと、道の左側に
オービル生誕地であることを示す小さな看板がある。看板以外には建物の基礎が残っているだけだが、ギタリストなら是非とも巡礼したいスポットだ。
ちなみに、この土地の所有権を去年秋に購入したのが、前述の「Dick’s Country Store&The Music Oasis」の経営者ディックさんだ。オービル生誕地の看板は、彼の義父が作ったものだという。ギブソンを愛する彼の店では、田舎の楽器店にしては珍しく同社製品も多数そろえている。
マローンの近くでは、カナダのモントリオールとオタワ以外に大きな観光地はない。1時間ほど南下したところにあるレイク・プラシッド(Lake Placid)は山中の小さな町だが、1932年と1980年に冬季五輪が開催されたことで知られる。現在もウィンタースポーツの国際大会がよく開催されるので、宿泊施設は多い。レイク・プラシッド以外で宿泊するなら、州間高速道路87号線沿いがお薦め。車での移動に便利でホテルの数も多い。
マローンへのアクセス
・モントリオール(Montreal)からカナダ国道15号線で南下し、アメリカとの国境を超えると州間高速道路87号線(Interstate 87、通称I-87)に名称が変わる。国境を超えてすぐ見つかる州道11号線(Rt. 11)で西に45マイル(70キロ)ほど(実際は西に向かっているのだが標識は「South」となっているので注意)。「Malone」の標識が出ているので迷うことはないだろう。片道2時間程度。
・オタワ(Ottawa)から
カナダ国道416号線で南下し、アメリカとの国境を超えるとポツダム(Potsdam)
やカントン(Canton)で州道11号線にぶつかる。東(但し標識は「North」)に向
かって40マイル(60キロ)ほど。片道3時間程度。
・ニューヨーク市(New York City)から
決してお薦めしないが、州間高速道路87号線で300マイル(500キロ)ほど
北上すると、カナダ国境の手前で州道11号線にぶつかる。そこから西に45マイ
ル(70キロ)ほど。