Mike Landau and Robben Ford Interview!

INTERVEW

今回お届けするのは2010年、二人がRenegade Creationとして来日したときのインタビュー。
今も第一線で活躍する二人が一緒のステージで演奏するというのは、よく考えればかなり貴重。
Renegade Creationも2枚のアルバムを残し、今は活動しておらず、この2ショットはもう観られないのかも。
機材レビューもあります。じっくりお楽しみください。

interviewed & text by Shimpei Hosokawa
translated by Sanae Toyota


マイケル・ランドウとロベン・フォード。ロック、ブルース、ジャズと、ジャンルを跨いだ圧倒的な実力とセンスで、世界中のうるさ型ギター・ファンを虜にしてやまないこの2人のギタリストがバンドを組んだ。それがレネゲイド・クリエイションだ。

Renegade Creation / レネゲイド・クリエイション
ブレット / レネゲイド・クリエイション

Targieではこの絶好の機会を捉え、2人へのインタヴューに成功した。
彼らがこれほどリラックスしてお互いについて、音楽について、ギターについて語っている動画は、世界中探してもどこにもないはずだ。ご堪能いただければと思う。
また、彼らはトーンの良さでも圧倒的な評価を得ている。そこで、機材についても、ギター・テックに細かく取材をし、写真とともに下に掲載した。
インタヴューで彼らが語っているとおり、トーンは機材によるものではないということも頭に入れつつ、ぜひ参考にしていただきたい。

インタビュー動画

機材紹介

Mike Landau

1.ギター

ステージ上には、63年製フェンダー・ストラトキャスターと、サーのストラト・タイプが用意されていた。しかし、ライヴでランドウが使用したのはフェンダーのみ。ギター・テックによると、サーを使うことはまずないとのことだ。
フェンダー・ストラトのフィエスタ・レッド・フィニッシュは、いわゆる“マルチ・レイヤー”と呼ばれるもの。サンバーストの塗装を剥がさず、そのまま上にフィエスタ・レッドを重ね塗りしてある。
フレットはジャンボ・フレット(ジム・ダンロップ6100と思われる)を装着。弦はダダリオのレギュラー・ライト・ゲージ(.010〜.046のセット)。

2.アンプ

アンプは日本でレンタルしたフェンダー・ホット・ロッド・デヴィルを使用。リハーサル前の取材だったため、コントロール・ノブの位置は当てにならないと思っていただきたい。テックによると、「アンプはクリーンめのセッティングにし、歪みは足元のペダルで作っている」とのこと。

3.ペダル

ランドウ・ファンにはすでにお馴染みのペダル群と言っていいだろう。
右上はロジャー・メイヤーのVOODOO-VIBE。ユニヴァイブ的なサウンドが必要なときに使用する。 その下が歪み系2種類、MAXON SD-9(SONIC DISTORTION/リイシュー)とLOVEPEDALのCOT50。SD-9が基本の歪み、COT50がブースター的役割だ。
その左はBOSSのヴォリューム・ペダル、FV-500H。そして、これのチューナー・アウトからBOSSのチューナー、TU-12Hへとつながっている。その下のワウはRMCの WIZARD WAH。
その次がARIONのコーラス、SCH-1。現行モデルはSCH-Zだが、ランドウのは80年代初期のもの。トゥルー・バイパス化モッドが施されている。

ボードの左に置かれているのがLINE 6のディレイ・モデラー、DL4とそのコントロール・ペダルだ。テックによると、DL4もトゥルー・バイパス化モッドがなされており、このモデル特有のノイズを軽減してあるそうだ。

Robben Ford

1.ギター

61年製フェンダー・テレキャスター。フレットもオリジナルのまま。フロント・ピックアップのみ、ロサンゼルス在住のギター・ビルダーでリペアマン、入戸野徹(にっとの・とおる)の手によって替えられているとのこと。また、チューナー(ペグとポスト)も新しいものに交換されている。弦のゲージはランドウと同じく.010から.046のセットだ。
エピフォン・リヴィエラ は63年製。このギターをツアーの持ち出すのはこれが初めてだそうだ。今年の5月に、ナッシュビルのリペアマン、ジョー・グレイサーによってビグスビー・トレモロ・ユニットが外され、ストップ・テイルピースへと変更された。

2.アンプ

アンプはダンブルのOVERDRIVE SPECIALがメインで、フェンダーのスーパー・リヴァーブ(リイシュー)はサブ(こちらは日本でのレンタル)。ダンブルのセッティングは、これもリハ前の取材のため、当てにならないので要注意。テックによると「実際にはオーヴァードライヴ・コントロールは0にする」そうで、やはり歪みはペダルで作るとのこと。また、とっておきの秘密をひとつ教えてもらった。ダンブルはヴィンテージ・フェンダー・アンプのパーツを使っていることが有名だが、このロベンのダンブルの出力トランスは、ミュージック・マンのものを流用しているそうだ。また、真空管はソヴテックの現行品を使用。消耗品なので、個体差が少なくて、手に入りやすいことを大前提として選んでいるとのこと。

3.ペダル

右上は、LINE 6 DL4。ランドウと同じくトゥルー・バイパス・モッドが施されている。その下は、右からKORGのチューナー、PITCH BLACK。真ん中はARIONのコーラス、SCH-Z(現行品)のE.W.S.によるモッド品。トゥルー・バイパスで、ヴィブラート・モードが追加されている。左はHERMIDA AUDIO TECHNOLOGYのZENDRIVE。ロベンの歪みはここから生み出される。
その左上は、G-LABのリヴァーブ、DR-3。ポーランド製で、非常に高品質だ。
その下のワウは、VOX V846。60年代のイタリア製オリジナルで、モッドはしていないとのこと。その左はアーニーボールのヴォリューム・ペダル、6180だ。